国際出願・外国出願手続Q&A
Q;日本で出願しても、なお国際出願・外国出願の必要性は?
A;日本で出願すれば、外国でも出願したことにはなりません。
又、日本国で成立した特許権、実用新案権、意匠権及び
商標権の工業所有権の権利範囲は、日本国内に限られ、
他国には及びません。例えば、外国へ商品を輸出する
ような場合に、その外国でも保護を受ける為には、その外国にも
出願し、その外国でも特許権等を取得しておくことが必要です。
Q;国際出願・外国出願をするには?
A;直接、保護を必要とする外国に出願することも可能ですが、
通常は、日本で出願権を確保して、その後に、国際出願・外国出願を
行います。
Q;日本での出願と国際出願・外国出願とは同時にしなければいけませんか?
A;いいえ、同時にする必要はありませんし、実際上、通常は、同時出願は
不可能ですし、又、その国の言語で出願しなければならず、翻訳期間も
必要ですし、その他の事情も考慮して猶予期間(優先期間)が設けられ
ています。
Q;猶予期間(優先期間)はどの位ですか?
A;特許・実用新案の場合、日本出願日から12ヶ月です。意匠・商標
の場合、日本出願日から6ヶ月です。
Q;猶予期間(優先期間)があるとして、かなりの日数経過して、
例えば、日本出願日から12ヶ月以内に、外国に、特許出願
したような場合、不利な影響を受けませんか?
A;いいえ、日本出願日から12ヶ月以内に、外国に、特許出願
したような場合、優先権を主張でき、外国での出願日ではなく、
日本での出願日をもって新規性や進歩性等の判断をしてもらえます。
従いまして、当該優先権を主張できるか否かで、外国での特許などを
取得できるか否かに関係してきます。
Q;優先期間を既に経過してしまった場合にはどうなりますか?
A;優先権を主張できず、通常は、日本での出願日ではなく、
外国での出願日をもって新規性や進歩性等の判断がなされ、不利となります。
Q;上記の優先権主張・優先期間との関係からは、国際出願・外国出願を
しようとする場合には、特許・実用新案の場合、日本出願日から12ヶ月、
意匠・商標の場合、日本出願日から6ヶ月以内に、国際出願・外国出願の
準備をしておくことが必要ですか?
A;そうですね、国際出願・外国出願をするにはその猶予期間(優先期間)
内に、外国に出願し、優先権を主張した方が有利となりますので、
日本で出願し、外国でも保護を求めなければならないような事情がある
ときには、優先期間を考慮に入れて、国際出願・外国出願の準備をして
おくことが必要です。
Q;国際出願・外国出願をする方法は?
A;特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願
という形態があります。
日本特許庁に、日本語で作成した国際出願の願書等を提出することにより、
当該条約の加盟国であるすべての国に同時に出願したこととされます。
Q;PCT の国際出願をすれば、外国に出願したことになるのでしたら、
その後に、外国には出願をする必要はないのですか?
A;いいえ、PCT の国際出願は、願書等の形式的な統一を図ったもので、所定の期間
後には、外国での国内段階の出願が必要で、その国での審査を受けます。
その国の言語の翻訳なども必要です。
PCT国際出願制度の概要→
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_tokkyo/kokusai1.htm
Q;特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願
ではなく、他の方法で例えば数カ国に外国出願することができますか?
A;パリ条約ル-トによる外国出願ですが、出来ます。
しかしながら、通常は、その国の言語で出願しなければならず、
翻訳がととのっていず、優先権を主張できる優先期間に余裕がなければ、
日本語で出願することにより外国に出願したことになります前記の
PCT に基づく国際出願を利用するということになります。
Q;特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願は、
意匠・商標にも適用されるのですか?
A;いいえ、特許(実用新案)に対して適用され、意匠・商標には適用されません。
尚、商標に付きましては、国際登録の制度があります。
商標の国際登録制度→
商標の国際登録制度(マドリッド制度)について→
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_shouhyou/kokusai/
h24jitumu-madopro.htm